こんにちは
ひょっとしたらカットの先生になれるのではないかなと思い始めている美容師 すずきかづし と申します。
カットが上手なんて言われるものだから調子に乗ってカットのノウハウを少しづつ書き溜めてあわよくばを考えていたりいなかったりです。
毎日のサロンワークにおける心構えやカットについてを書いて行きたいと思います。
もくじ
- 3つの鏡
- カットは削る技術
- 切ったとこが毛先
- 基礎
- 真っ直ぐに切るということ
- ウェットカットとドライカット
- 持ちのいいカット
- バリカン
⑴3つの鏡
□お店の鏡で満足
□自宅の洗面所の鏡で満足
□ご家族、ご友人の方に褒められ満足(他人の目)
これら三つの満足を得られればお客様は満足しまた来てくれる。
では、これら三つの満足をカットで得るために具体的にどのようなことを意識するのか
お店の満足
仕上げの際の手際、簡単にいい感じにスタイリングできているか
スタイルの形(シルエット)がお客様が好きな形(シルエット)になっているか
手触りは気に入っていただけたか
自宅の満足
自分で簡単にスタイリングできたか
そのスタイルはいつもよりも長持ちしているか
褒められ満足
気づいてもらえたか
ヘアスタイルはシルエットと質感で決まります。
ですが満足を得るには写真でわかる情報だけでは足りません。
手触り、香り、毎日の質感。
髪の状態は毎日変化しそれをお客様は感じながら暮らします。
奥行きをどこまで感じ取ってあげられるかが美容師の手腕なんだと思います。
⑵カットは削る技術
カットをする際にくれぐれも意識しておかなければならないのは「削る技術」だということです。
髪を増やすことも伸ばすこともできません。
お客様のご要望がどこを削っていけば叶うのかを聞き出しイメージしなければなりません。
現状の形(シルエット)のどこを削るかをつかみます。
全ての髪を切る技術はどうやって削るのかということになります。
ブラントカット (まっすぐ直線に切る)
チョップカット (ギザギザに切る)
スライドカット (先細りに切る)
カミソリ (先細りに切る)
バリカン (短く同じ長さに切る)
など
どう削るかで質感が変わります。
⑶切ったとこが毛先
ハサミで切ったところが毛先になります。
当たり前かもしれませんが意識できているできていないは大きい部分です。
あなたがハサミで切った場所は髪の先、毛先です。
髪を切るということは、「毛先を作る」とも言い換えられます。
毛先を作ることを意識できると一カ所にハサミを入れることの重大さが身にしみると思います。
また長さによって意識は変えたほうがいいと思います。
ロングヘアだったら「毛先」という意識になりますが、ショートやレイヤーを切る際は「シルエット」という意識になります。
顎より下は「毛先」
顎より上は「シルエット」
を切る、削っているのです。
⑷基礎
初めにカットを練習する際に行うことは道具の正しい使い方をマスターするということです。
「安全に正確に切る」ためには道具の使い方がとても大切です。
まずは安全に使えているかということ
お客様に対して危険がないかを意識します。
刃の向き、姿勢、正対など
正しく使うことで自分の体への負担も最小限になります。
正しく使うことでイメージ通りに切れます。
絵描きが自分の頭の中のイメージを表現するためにまっすぐな線を引けるようにするのと同様に、イメージ通りにカットできるように矯正します。
ハサミの使い方ができていないと斜めに切れてしまったり、持ち方が悪いと落としたりしてゲストに怪我を負わせたり、姿勢が悪いと腰を痛め二度とサロワークを行えなくなったりします。
動刃と静刃
握り方
正対
必ず抑えるべきです。
「安全に正確に切れる」
を身につけます。
⑸真っ直ぐに切るということ
基礎の習得と合わせてまず練習するのは「ワンレングス」だと思います。
「おかっぱ」「ボブ」などとも言います。
左右対称にまっすぐに切る練習です。
練習していくと気づくと思いますがまっすぐに切るとまっすぐになりません。
?
真っ直ぐに見えるのが真っ直ぐに切るということ
カットラインがまっすぐなワンレングスは仕上げた際に角が出ます。
つまりまっすぐ切れているとまっすぐに見えない、角が残りいびつなところが残ります。
頭は立体でまんまるでもなく、様々な角度がおり混ざっています。
頭の形を無視したカットは左右が不対象でいびつになってしまいます。
ベーシックなカットというのは長さを同じに、同じパネル、角度で左右を切りましょうとなりますが、現場では左右対称な頭なんてめったにありません。
まっすぐに切るということはまっすぐに見えるように切れるということ
練習から頭の形に対応できるカットを習得しましょう。
パネルの厚み
平行
垂直
ブロッキング
意識しましょう。
また、ハサミの仕組みが物理的にまっすぐきれるものではありません。
切る際に必ず髪は逃げて行き切る方向に向かって斜めに長くなって行きます。
⑹ウェットカットとドライカット
濡らして切るのか乾いた状態で切るのか、議論になる部分なのかもしれません。
濡らして切るなら重いスタイル
軽いスタイルは乾かして切ります
くせ毛が強い人は濡らして
剛毛の人も濡らして
細い猫っ毛の方は乾かして
基本的に「切りやすいか」で決めています。
乾いているとパラパラして残り毛が出やすい
濡らして切ると乾いた状態のおさまりがわからない
どちらもいい悪いがあるので濡らして切るなら乾かして確かめる。
乾いた状態で切るならちゃんとチェックを入念に行うのがいいでしょう。
自分が切りたいスタイルに対して素材をどのような状態にして切るのが一番良いパフォーマンスができるかが大事なのだと思います。
⑺持ちのいいカット
長持ちするカットのコツはハチと前髪と耳後ろにあります。
髪は一ヶ月で1センチ以上伸びます。
つまりシルエットが下がってきます。
スタイルにはウェイトポイント、重さのラインがあります。
スタイルの重心が下がれば重く見えます。
もちろん手触りも重くなってきます。
あげられた前髪は上がらなくなり、すっきりと見えたスタイルがなんだかどんより見えてきます。
人によって限界は違いますが切りたくなるタイミングは見た目と手触りの重さが原因なことがほとんどです。
お客様が自分を見るのは鏡か写真、動画です。鏡の場合、正面から見ることが多いです。
正面から自分を見たときに気になりやすいのは前髪と毛先と前からのシルエット
つまり、インナーラインとアウターラインです。
【インナーライン】フロントサイド〜前髪〜フロントサイドの顔まわりのシルエット(内枠)
【アウターライン】ヘアスタイルのシルエット(外枠)
前髪が気になるから切りたい
毛先のパサつきが気になるから切りたい
おさまらないから切りたい
これらは主に鏡の自分を見た際の気持ちです。
◯前髪の毛先の質感を軽くしてあげる
◯毛先が広がりにくい質感調整
◯ハチの量感にメリハリをつける
これらが持ちをよくするポイントです。
毎日スタイリングする方はスタイリング剤のノリの悪さが気になったら切りたいのだと思います。
重い
上がらない
ボリュームが出ない
などは手触りが気になったから切りたいということです。
◯耳後ろの量感
◯襟足の量感
◯前髪の立ち上がり重視の質感調整
◯トップの立ち上がり(レイヤー)
持ちのいいカットとはお客様の気になるをいかに先延ばしにできるかということです。
⑻バリカン
短髪を切るときに便利なバリカン
しかし、お客様からすると抵抗のある方も多く使用する際には必ずバリカンを使用した経験があるかどうかは伺ったほうがいいと思います。
バリカンの便利なところは早く均等にキレイに切れるところ
ですが使い方はあまり細かく教わったりはしないのかなと思います。
バリカンの使い方
長さの設定
0.8〜2㎜ 3〜4㎜ 6〜9㎜ 12〜15㎜
長さの設定は細かく決めることができます。何ミリがどうなるのか説明します。
0.8〜6㎜がいわゆる刈り上げです。
9㎜以上は刈り上げほどの長さの設定ではありません。
刈り上げの濃さで長さは設定します。
0.8〜2㎜はツルツル
3〜6㎜はつんつん
短い設定ほど白く頭皮がでてきます。
9㎜以上はボサボサ、ふさふさ
そんなイメージで質感によって決めます。
バリカンで切る際の目線
バリカンで切るということは頭皮の形がシルエットになるので、使用する際は正対せず横からシルエットを確認しながら使用するのがいいと思います。
横から見た際に思った通りに削れたか、残したい部分を確認して切らないようにするなど見ながら切っていきます。
ダイヤル
0.8〜2㎜はダイヤル
6㎜以上はアタッチメントとなっているバリカンが多いと思います。
ダイヤルが2ミリのまま6㎜アタッチメントをつけると2+6=8㎜の長さの設定になります。
毛流れに逆らって切っていく
髪の毛流れを意識しないと設定した長さに切れません。毛流れに逆らって切ります。
バリカンを動かすスピード
毛量によって正確に切れる量が変わります。
多く剛毛の方ほどゆっくりと切っていきましょう。
ドライとウェットどちらで切るか
剛毛の方は濡らした方が髪が柔らかくなり切りやすいと思います。軟毛の方は濡らすとペタンとしてしまうので切りにくいと思います。
バリカンを使用する際は髪の根元が立ち上がっていた方が切りやすいです。
バリカンにもさまざまな種類があります。
産毛用のトリマー
ラインの入れやすい細いもの
生え際を切りやすいトリマー
充電タイプのバリカン
有線のバリカン
など
自分の目的に沿った使いやすいものを使うのがいいと思います。
ぼくの大好きな道具の一つなので意外とこだわって使ってます。
レッツ刈り上げ♪
⑼練習
カットの練習をするのに欠かせないのがウィッグ
だいたい安いもので¥2,000〜、高いもので¥10,000〜 と決して安いものではありません。
無駄のない使い方を心がけましょう。
無駄のない練習の仕方
○長いスタイルから練習する
○ケミカルな練習(カラーパーマ)は1〜2回(1体)
ウィッグでカットの練習を行うときは
ボブ→グラデーション→レイヤー→ショート→短髪
が基本です。
自分でウィッグを購入されている方は、いきなりばっさりなんてもったいないことはしない方がいいです!
ウィッグ一体でいろんなスタイルを練習しましょう。
ですが、なんども同じスタイルを連続して練習しなければ身になっている気がしない方も多いと思います。
そんな方は何体か買って違うワンスタイルごとにウィッグを使用します。
ミディアムワンレングスを練習したら、すこしグラデーションを入れてみる。次にショートボブを切ってレイヤースタイルに変える。
など、、
練習方法は無限にあります。
おすすめは切ってみたいスタイルをチョイスすることです。
好きな感じの写真をスクショでもいいので集めておく、そこからボブ〜レイヤーに分けておいて練習に使う。
ヘアカタログ切り抜きでもなんでもいいのでストックしていくと自分の好きなスタイルが集まり楽しいと思います。
そして、ケミカルな練習はウィッグでは仕上がりを期待できないかなと思います。
もともとヘロヘロな髪のものがほとんどで高いものでないと毛量も長さも期待できません。
実際の人を想定しているのならウィッグと人は別物という意識をして練習します。
例えば、カラーを練習するのであればサロンワークよりも早く塗れるのはウィッグの頭が小さく、毛量が少ないから。早くカットができるのも同様の理由です。
ウィッグの感覚と実際の施術の感覚は別物と捉えましょう。
ウィッグでは人同様の質感を期待できないので、カラーだったらその薬剤の発色の確認、パーマだったら質感をなんとなく把握程度の確認かなと思います。
カラーやパーマの練習についてはまた後日書いてみようかなと思います。
カットの練習で意識すべきこと
○シルエットを削る感覚
○毛先
○スピード
○ドライとウェットで切った質感の違い
○鏡と目視
○ゲストの年齢、性別、ライフスタイルを想定したスタイリング
○色によるスタイルの印象
○どんなカットがどのパーマスタイルのシルエットになるのか
など
カットを練習する一回一回に目的意識をもつこと
これが大切です。
あなたは何を練習しているのですか?
何を確認したいのでしょうか?
練習する前にテーマを決めておきましょう。
※巻末に
ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。
こちらの記事はnoteにメモのように執筆しているもののまとめになります。
少しの追記なども含めております。
https://note.com/kadushi(note)
カットに対する苦手意識をお持ちの方がすこし視界が広がるようにと思い書いております。
スタイルごとの切り方などはyoutubeなどにあふれています。
美容師さんというのはキラキラと目立つインフルエンサーな方にばかり目がいきがちで、自分なんかなどと自信を無くしがちな気がするのですがそんなことはありません。
誰かの髪をちゃんと切ったことがある人はこの世界に何人いるでしょうか。
髪を1年、5年、10年と触っている人が何人いるでしょうか。
続け研鑽し今もなお美容師でいることはとっても貴重な存在です。
すこし誰かの背中を押すことができたらとても嬉しく思います。
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